
冬土用とは、冬から春にかけての季節の変わり目で、寒さが厳しくなる時期です。
外気温が低くなると、体温も低くなります。
体温が低くなると、血行も悪くなりがちです。
血行が悪くなると、治癒力が十分に発揮できにくくなります。
治癒力が十分に発揮できないと、体内でいろいろな問題が生じてくる可能性があります。
ですから、この時期は、身体を整えることが大切なんですね。
2018年の冬土用は1/17〜2/3
暦的には、
2018年の冬土用は、立春(2月4日)の前18日間(1/17〜2/3)です。
陰陽五行説で、春・夏・秋・冬をそれぞれ木・火・金・水とし、残った「土」を各季節の終わりの18日間に当てはめたことから、立春、立夏、立秋、立冬の前の18日間を土用というようになりました。
次の季節へ移る前の調整期間といったところでしょうか。
立春は「初めて春の気配が感じられる頃」つまり「春の始まり」という意味で、立春から立夏(5/5)の前日までが「春」とされています。
立春から温かくなるという意味ではなく、「立春を迎えた頃から気温の底はピークを過ぎ、徐々に春めいた気温や天気に変わっていく」という意味です。
ですから、「春に向かって準備をする時期」ということですね。
立春より前の大寒より立春の方が寒くない?
例えば、東京の月平均気温を見てみると、一番寒いのが一月だったり、二月だったりします。
もちろん、自然界の話ですから、変動があるのが当たり前です。
もともと、この二十四節気は、中国は黄河中流域(中国の内陸部)で生まれたのですから、日本の季節とは異なるのも無理はありません。
冬土用は暖かい季節に向けて準備をする時期!
「暦的にどうこう」ということも大切ですが、
体調面で大事なのは、
「温かくなる春に向かって体調を整えておくこと」
なのです。
冬は腎の季節なので、腎を整えて冬を終えることが重要です。
また、来たるべき春は肝の季節なので、あらかじめ整えておくことも重要です。
そして、最も重要な脾を整えることが最重要課題となります。
このように、冬土用は
●冬の臓腑を整えて冬を終える
●春の臓腑を整えて春を迎える
●土の臓腑を整えて身体の基本を整える
と、いろいろ気を配ることが重要です。
季節の変わり目になぜ身体が不安定になるのか?
基本的に、生命エネルギーあふれる状態の動物や、
臓腑の傷みが少ない個体は何事もなく季節の変わり目を通過できます。
しかし、いわゆる「体力が無い子」や、「臓腑に著しく大きなダメージのある子」は
季節の変わり目は、身体が不安定になりがちです。
実際に「私は季節の変わり目によく体調を崩すんです…」
という飼い主さんと出くわしますが、
いろいろ解決すべき課題が残ったまま
次の季節に移行することを繰り返したため、
結果的に体中に課題を沢山抱えた状態のことが多い様です。
では、どうしたらいいのでしょうか?
身体は元に戻ろうとしている
忘れてはいけない原理原則があります。
不調の時に身体がおかしいと解釈しがちですが、
不調の時は「身体が元に戻ろうとしている」ものです。
ですから、身体がおかしくなっていこうとしているサインではなく、元に戻ろうとしているサインなんだと解釈することが大事です。
不足した栄養素が補われると自然治癒力のスイッチが入る
そして、とても大事なことですが、
身体には自然治癒力があり、
条件が整えば元に戻ります。
その条件の一つが、栄養素です。
冬は栄養価の高い食材で身体が温まる食材
冬シジミ
うなぎ
牛肉
味噌
しみ豆腐
うなぎは夏なのでは?と思われるかもしれませんが、天然物のウナギは晩秋から冬にかけて旬を迎えます。冬を越すために脂肪を蓄え、脂がのっていて身も柔らかく美味しい時期なのだそうです。
そして、夏のウナギは「養殖物」なのです。
養殖物が悪いとは申しませんが、できれば旬のものをいただきたいですよね。
そこで、冬の土用も、他の季節同様、旬の食材を使って、元気に冬を乗り切り、次の春を元気に迎えられる様に準備をしておきたいものです。
身体は休めると元に戻る
工場に原材料を送っても
工場が休みの日だったら何も作られません。
これは、原料が足らないのではなく、
工場が稼働していないということが本質的な問題です。
レバニラ炒めを長期に渡って食べているのに
貧血が改善しない人もこのパターンですよね。
このように、栄養素を補っても
身体に元に戻る力が十分になければ、
改善できません。
特に土の臓腑である消化器系は
私達の多くが土日休みの様に
ときどき休ませることが重要です。
ついつい、
「冬の土用は何を食べさせるのがいいのか?」
という疑問を持ちがちですが、
「いかに休ませるか」も大事なんだということを
覚えておいてください。
とはいっても、土様には何を食べたらいいのか?
とか、どのように臓腑ケアをしたらいいのか?
ということが気になる場合は、
ぜひ、こちらも参考にして下さい。
そして、上級編を学ぶのに原因療法としての考え方が重要ですので、あわせてこちらもご活用下さい。
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「原因療法をより理解するために」