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2020年6月

二酸化塩素で空間除菌(首からぶら下げたり、室内に設置)は難しい!

以前のインフルエンザ騒動や今回のコロナ騒動で「二酸化塩素に抗菌・抗ウイルス効果がある」
という情報が流れ、

室内に設置する空間除菌グッズ
首からぶら下げる携帯型空間除菌グッズ

が世間で注目を浴びています。

また、世間では効果が「ある派」と「ない派」に分かれます。
どちらが正解なのか気になる所ですが、でも、効果があるなしに関係なく、

酸化力で抗菌・抗ウイルス効果があるものは機械や機材などモノに使うものであり、
  ヒトや動物に使うものではない!
身体に安全なら効果はなく、効果があるなら身体に危険!なので議論の余地無し!

で、もし、あなたが二酸化塩素がコロナウイルスをはじめとする病原性微生物対策に有効だと思った事があるなら、二度とそんな話を信じないように、以下を御熟読ください。

次亜塩素酸は液体、二酸化塩素は気体

まず、似たようなものがゴッチャになる肩もいるかもしれないので、
次亜塩素酸水→液体
次亜塩素酸ナトリウム水溶液→液体
二酸化塩素→ここでは気体で使用

で抗菌・抗ウイルス作用を期待して使います。ですから、この記事では気体で使用する前提です!

酸化力で菌・ウイルスを殺す…が意味すること

「酸化力がある」ということは、生体内の分子から電子を引き抜く化学反応を起こしやすいということです。主に二重結合、三重結合があるところが反応ポイントになりやすいのです。

二酸化塩素にも強力な酸化作用があり、その抗菌・抗ウイルス作用が主にそのタンパク質変性効果に起因していて、この変性が主にそれらタンパク質のトリプトファンとチロシン残基の共有結合的酸化修飾に起因するという報告があります。
↓↓↓
https://www.seirogan.co.jp/medical/research/pdf/report21_j.pdf

しかし、今後の研究が進めば、他の二重結合や三重結合が存在する部位にも影響することが解明されるかもしれません。

このように…

二酸化塩素は酸化力で菌やウイルスを殺す

二酸化塩素は酸化力で二重結合や三重結合が存在する部位(電子が過剰)から電子を奪う酸化力を持つため、微生物の安定した構造および/または機能にきわめて重要な組成タンパク質が、二酸化塩素によって変性されることにより、微生物は不活化されると考えられております。

ですから、二酸化塩素は抗菌・抗ウイルス作用があるかといわれたら「ある」のです!

しかし…

首からぶら下げるタイプの空間除菌剤は今すぐ外せ!

ウイルス除去商品で喉の痛みと息苦しさを感じた
↓↓↓
https://jca-home.jp/wordpress/wp-content/uploads/2016/10/jirei006.pdf
という相談がありました。

そして、「ストラップ付除菌用品を1歳半の娘にかけていたところ、胸が長方形の名札の形に赤くなっていることに気付き、病院で化学やけどと診断された。」という出来事もありました。
↓↓↓
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20130430_1.html

そんな理由から、首からぶら下げるタイプの空間除菌剤は、薬剤師会からは止めるよう指導されています。
一般社団法人 北海道薬剤師会 公式サイト「二酸化塩素の除菌用品」
↓↓↓
http://www.doyaku.or.jp/guidance/data/H27-7.pdf

そうしたら、こんな情報を教えて下さった方がいらっしゃいました
「安定化二酸化塩素の殺菌効果一覧表」
↓↓↓
https://jb-guard.jp/clo2-effect.pdf

このデータを見たら、
素人さんは「やっぱ安定化二酸化塩素スゲェーじゃん!」
と思われるかもしれませんが、私は全く思いません。

なぜなら…

効果ありなら有害!害が無いなら効果もなし!

大前提を復習したいのですが、

酸化力で微生物を殺す物質は
===
身体に安全ならば、効果がないのでムダ!効果があれば身体に有害!
===
よって、空間に噴霧するメリットがありません!

そもそも…

殺す条件(濃度、温度、湿度、時間)が大事

何でもそうですが、効果の有無はその物質の濃度、温度、湿度、時間などの条件によって変わるので、一概に効果がある!ない!と論じることは出来ません。

常夏の島に水着を着ていくのはありですが、極寒の地に着ていくのは相応しくないでしょう。それと同じです。

で、先程の「安定化二酸化塩素の殺菌効果一覧表」ですが…

濃度が危険領域!

二酸化塩素で細菌やウイルスを殺すのに数十から数百ppmで30秒〜10分かかることが示されています。
↓↓↓
https://jb-guard.jp/clo2-effect.pdf

これを、単に「凄い抗菌・抗ウイルス作用があるじゃないか!」と眺めるのではなく、使用濃度に注目していただきたいのです!

そして、米国環境保護庁では、「モノ」の消毒のために3000ppmの濃度で最低3時間は暴露させることが記載されています。
↓↓↓
US EPA: Anthrax spore decontamination using chlorine dioxide
http://www.aquamira.com/wp-content/uploads/2015/05/anthrax-spore-decontamination-using-chlorine-dioxide-pesticides-us-epa.pdf

しかも、殺菌消毒効果を最大限に発揮するための必須条件として、
最低でも室温21度以上
最低でも湿度65%以上

とされています。

ここから、「日本の冬の乾燥した環境」ではその条件を満たさないことが解ります。

ここまでを復習しますと…(濃度と暴露時間に注目!)
数十から数百ppmの濃度で30秒〜10分暴露させる(モノ)
米国環境保護庁からは3000ppmを最低3時間暴露させるガイドライン(モノ)
最低でも室温21度以上
最低でも湿度65%以上

ということでした。

しかし…

ヒトは30ppb(0.03ppm)以下!

米国産業衛生専門家会議では

人体に許容される作業環境基準濃度は100ppb(0.1ppm)以下
↓↓↓
US Department of labor: OSHA
Determination of Chlorine Dioxide in Workplace Atmospheres
https://www.osha.gov/dts/sltc/methods/inorganic/id202/id202.html

とされており、

30ppb(0.03ppm)以上の濃度環境に対しては多くの人が不快に感じる
臭気限界は60〜200ppb(0.06〜0.2ppm)
1ppm(1,000ppb)の暴露で重度の呼吸器刺激性がある
とされております。
↓↓↓
Handbook of Pollution Prevention and Cleaner Production Vol. 2: Best Practices in the Wood and Paper Industries

これらのことから、ヒトのいる環境では30ppb(0.03ppm)以下の使用に限定されます。

ですから、上記のような
数十から数百ppmの濃度で30秒〜10分暴露させる
米国環境保護庁では3000ppmを最低3時間暴露させる
最低でも室温21度以上
最低でも湿度65%以上

などという量では、ヒトの生命も危ういことになります。

このように…

酸化力があるならヒト、ペットの細胞もやられます!

酸化力で抗菌・抗ウイルス効果がある物質は、同じメカニズムで動物の細胞にも影響するので(そもそもモノの消毒に使う物質ですから!)、ヒトやペットの細胞も障害を受けます

特に、目や呼吸器に影響を及ぼすのです。

首からぶら下げるタイプの空間除菌剤が目指すところは…

首からぶら下げるタイプの空間除菌剤は今すぐ外せ!

首からぶら下げるタイプの空間除菌剤が目指すところは、鼻の入り口で抗菌・抗ウイルス作用が完了することでしょう。

つまり、瞬時に「殺す(ウイルスは生物ではないので殺すという表現は適切ではありませんが、ここは正確さよりもわかりやすさを重視してこの表現を使わせて下さい)」ことが要求されます。
ということは、既出の「安定化二酸化塩素の殺菌効果一覧表」の

数十から数百ppmの濃度で30秒〜10分暴露させる(モノ)

以上の濃度である必要があります。

そんなの、
30ppb(0.03ppm)以上の濃度環境に対しては多くの人が不快に感じる
臭気限界は60〜200ppb(0.06〜0.2ppm)
1ppm(1,000ppb)の暴露で重度の呼吸器刺激性がある

ヒトには絶えられない濃度ですよね?

ですから、首から下げるタイプの除菌グッズは
===
効果があれば目や鼻の粘膜がやられて有害!濃度が薄くて安全ならば効果はないのでムダ!
===
ということから、「抗菌・抗ウイルスへの意識があります!」という表明にはなりますが、効果はほぼありませんし、化学ヤケドの危険性もあり、オススメ出来ないグッズとなります。

では、室内に噴霧して空間除菌はどうでしょうか?

室内を効果的な濃度に安定するのは実用的には無理!

これには
「低濃度二酸化塩素による空中浮遊インフルエンザウイルスの制御―ウイルス失活効果の湿度依存性―」
http://www.kankyokansen.org/journal/full/03205/032050243.pdf

という査読論文があり、室内を20〜30ppbに維持することは閉鎖空間でも難しいと報告されています。

まして、通常の生活環境は開放空間ですから、さらに困難と考えられます。

そして、販売会社が提供する情報は、「極端に狭い空間や密閉状況など、実際に使われる環境とは異なる条件で行った実験データ」のため、日本の冬場の低温乾燥環境では、期待されるような空間除菌は難しいこともわかります。

ですから…

室内に置く二酸化塩素を放出する除菌グッズも処分せよ!

室内に設置するタイプの二酸化塩素グッズも、やはり
===
効果があれば目や鼻の粘膜がやられて有害!濃度が薄くて安全ならば効果はないのでムダ!
===

の目安から、「抗菌・抗ウイルスへの意識があります!」という表明にはなりますが、効果はほぼありませんし、喉の痛みや息苦しさを感じる方もいらっしゃいますから、設置する必要なし!です。
↓↓↓
【ウイルス除去商品で喉の痛みと息苦しさを感じた】
https://jca-home.jp/wordpress/wp-content/uploads/2016/10/jirei006.pdf

ちなみに…

ウイルスは時間と共に勝手に減る

ウイルスは時間の経過と共に自然と減少する現実があります。

また…

ウイルスは温度と湿度の影響を受ける

ウイルスは温度と湿度の影響を受け、

高温多湿だとウイルスは減少する傾向がある(全てではない)
湿度が同じなら温度が高いほど減少するのが早い
温度が同じなら湿度が高いほど減少するのが早い

という現実がある事も覚えておいてください。

そして、やっぱり…

モノの消毒薬は動物に使用しちゃダメ!

機械・機材などのモノの消毒に使う消毒薬は、生物に使ってはダメなのです!

ところで、首からアレをぶら下げていると、こんなこと言われることもあります…

首からアレをぶら下げていたら情弱・カモ認定!

あるSNSで見かけたのですが、
===
首からアレをぶら下げている人は「私はデマをよく調べもせずにうのみにし、ダマされる、慎重さに欠ける情弱でありカモです。なんでも売り込んでください。たぶん買いますから!」と意思表示しているのと一緒!
===
などと揶揄されている状態です。

恐らくご本人は、そんなつもりはなく、不安で心配だからこその選択だったと思うのですが、ちょっと情報収集源が適切でなかったか、収集範囲が狭かったからの選択だったのでしょう。

過ぎた事は仕方ありませんから、ここから軌道修正していきたいところです。

そうすると…

やらないよりやった方がいい?

「でも、やらないより、やった方がいいですよね?」

という切り返しが来ることがあるのですが、不必要なことはしなくていいし、危険性があるなら止めた方がいいと思います。

とにかく今は、ちゃんとした人達は
首からぶら下げている人
室内にアノ臭いを漂わせている人

「あっ…あの人…」
という目で見てしまう現実があります。
そして、教えてももらえないので、そういう評価が周囲から下されたままになりかねません。

そんなの、不本意ですよね?

情報収集源を刷新・再編せよ!

今後は,そんな選択をしないよう、

自分の情報収集範囲を疑う
記事に書いてあることをうのみにしない
わかりやすい記事ばかりで情報収集しない!
公的機関の出している文書も読もう
答え合わせが出来る環境を用意する

ことをオススメします。

ペットアカデミーでは、全国の会員から、「こんな情報があるのですが、本当でしょうか?」という確認のための質問を日々受け取っております。

新しいことを楽しくわかりやすく学ぶペットアカデミーですが、「ちまたの噂の本当の所」も確認出来るので、ぜひ、ご活用下さい!

ということで、二酸化塩素で空間除菌は難しい!というお話しでした。

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