

愛犬愛猫が
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たくさん食べているのに太らない
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痩せさせる情報はたくさんあるんだけれど、太らせる情報はほとんどないということで、診療中に飼い主さんによく相談されます。
このような場合、太る場合と同じように、
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消費する量>摂取する量
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という前提があります。
では、このような悩みを抱えている飼い主さんは一体どのように考えたらいいのでしょうか。
太れない三つのデメリット
まず太れないときにどんなデメリットがあるかを考える必要があります。
一つ目に、体が冷える人でいうところの冷え性のような状態になります。
これは筋肉量つまり発熱体が少ないので体が暖まらないことを意味します。
身体が冷えれば、血行が悪くなり、
血行が悪くなれば、体の抵抗力が低下し
体の抵抗力が低下すれば、様々な病気につながっていく…
ということは人間同様です。
二つ目に疲れやすいということがあります。
これも筋肉量が少ないため、持久力がないという状態です。
疲れやすいと言う状態だと体調がすぐれない時間が多くなり、それをスタートとして病気になりやすくないということがあります。
三つ目に食欲が全くなくなるほどの重病になった時に、血糖値を維持するための筋肉量が少ないと、長持ちしにくいデメリットがあります。
ですから、太りすぎも問題ですが、ほどよく筋肉がついている事はとても重要です。
では、太れない理由は一体どんなものがあるでしょうか?
太れない三つの理由
何事も全てに原因があります。
その原因がわかれば、問題解決に近づくことができます。
ですから闇雲に食べる量を増やすとかではなく「なぜ太れないのか?」を考える必要があります。
とても大事なことなのですが、不調の際には
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食事で解決できることとできないこと
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があります。
ですから、こじらせないためにも「食事の質を変えるだけで必ずしも太ることができるわけではない」ことを知っておくことはとても重要です。
一つ目に、そもそも食事量が少ないことがあります。
食事量が少ないため、その日の消費エネルギーを補うだけで、筋肉や脂肪として体に蓄積されないこともあるのです。
飼い主さんが「食べさせているつもり」でも、実はそうではないことがありますので、食事療法に精通した獣医師に「自分のやっている事が間違っていないかどうか?」を確認する習慣はとても大事です。
二つ目に、消化吸収能力が充分発揮できていないこともあります。
その時には、
● 消化液の分泌がうまくいっていない(何らかの理由で)
とか、
● 吸収しにくい(消化が十分にされていないから)
などの問題がある可能性があります。
三つ目に、何か病気を抱えていて、太ることができない状況下にある可能性もあります。
この場合には、
● 具合が悪くて食事の量が少ないのか?
● 消化器の問題なのか?
● 他の部位の病気なのか?
を判断するために、それを判断できる獣医師のところに連れて行ってみてもらうことはとても重要です。
太るためにはどう考えたらいいのか?
まずとても大事なことが体重を増やすことが必ずしも最終ゴールではないということです。
人間同様、脂肪をぶくぶく増やしてもしょうがないわけで、筋肉量を増やすことが健康的な増量につながります。
ただし、現状、痩せているけれど特に体が冷えているわけでもなく健康です!というのであればそれで問題ないという視点も持っておいてください。
人間でも病気などが理由で痩せている方もいれば、痩せているけどとても元気だという方もいらっしゃいます。
ですから身長と体重だけで人を判断できないように、動物も痩せているからといって一概に不健康だと決めつけなくて良いのです。
太るための3つの方法
以上を踏まえて、太るための方法としては、
1.食事回数を増やしてみる
消化吸収能力がそれほど高くないのであれば、一度の食事量を少なくし、何度も食べる事で目的を果たせることがあります。
2.タンパク質を多めに摂取する
筋肉の原料であるタンパク質の摂取量が少ない場合は、肉や魚を増やしてみるという選択肢があります。
ただし、「タンパク質を多く摂取する」なんていうと、「腎臓に問題が起こる可能性があるから危険だ!」などと短絡的に考える人がいますが、正確には「腎臓病の場合に不自然なぐらいに肉や魚を食べさせた場合にそうなる子もいる」が正しく、この様な場合には当てはまりません。
3.消化を助ける消化酵素剤を摂取する
膵臓からの消化液が十分に出ていない場合には、消化を助ける薬(消化酵素剤)を摂取することで解決することがあります。
しかし、その場合も、
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なぜ膵臓から充分な消化液が出てこないのか?
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を調べる必要があります。
このように、食べているのに痩せていくという問題を解決するには、食事の問題と体の問題の両方を考える必要があるのです。
以上のようなことから、とくに「たくさん食べているのに痩せる…」という場合には、獣医師の力を借りて「なぜそうなっているのか?」を調べて、適切な対処をしないと、ただ「たくさん食べさせる」だけで、痩せる原因を放置し、時間の経過と共に結果的にこじれて改善出来るはずだった時期を逃してしまうことも少なくありません。
飼い主さんが「様子をみる」だけでは解決出来ないこともあるので、早期に「何か起こっているのか?」「なんでもないのか?」を調べてもらって、原因がわかった上で適切な対処をして、安心して愛犬・愛猫との楽しい時間を過ごして下さい。
もし、もっと詳しく知りたい場合は、こちらから、「12.食べても太れない・食べむら」の教材を学んでみて下さい。
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