須崎動物病院には、何をどう間違えて聞いたのか、
他院における血液検査の結果で
「BUNが高いから、腎不全だといわれました…。
一生療法食だといわれました…。
どうしたらいいですか?」
と、取り乱した飼い主さんの相談がよくあります。
で、伺ってみると「誤差範囲」の様なちょっとだけ高い値だったり。
「確かに、用心するに越したことはありませんが、
当院にいらっしゃる子は『測定不能』という子が珍しくないので、
この程度なら誤差範囲かもしれないし、
積極的に原因追及・排除方の治療をやったら元に戻るかもしれないし、
さっきの『測定不能』の子の飼い主さんが隣にいたら、
『測れるだけいいじゃない』
なんて言われるかもしれないレベルですよ。」
と申し上げて、
●この検査項目の意味すること
●正常値と基準値の違い
●現状、何が推定できるか
●現状、何が出来るか
などをお話しさせていただくと、
現実的に前向きになれる様です。
おそらく、かかりつけの先生も、
同じ様にお伝えしたのだと思いますが、
「腎臓病」
という言葉が出てきて、飼い主さんも
気が動転して聞き違えてしまったのかもしれません。
人は世の中をありのままに見てはいないそうです。
だれもが、独自のフィルターを通して、
外部環境を見つめているそうです。
だから、
「『青』で思いつくことを6個書いてみてください。」
などというワークをすると、
びっくりするぐらい全員がまちまちなことを書くのです。
血液検査後に
「BUNが高い」「腎臓病」「一生療法食」という単語が出てきたら、
「になることがあります。」
という表現が記憶から消し飛んでしまうことだって、
わからなくはありません。
では、心配や不安を解消する最も良い方法は何でしょうか?
それは、
「正確に知る」
ことです。
●この検査項目の意味すること
●正常値と基準値の違い
●現状、何が推定できるか
●現状、何が出来るか
などがわかれば、
飼い主さんはびっくりはするかもしれませんが、
腰を抜かして歩けなくなったりはしません。
その原因がわかっていれば、
実はBUN値は食事でコントロールも出来ます。
ぜひ、そういう知識を身につけ、
世の中の「いたずらに不安にさせるような情報」
から身を守ってください。