
主にネット上のウソ情報・ガセネタのことで、あまりにもセンセーショナルだと、拡散されると被害が大きく広がる恐れがあります。
例えば最近の有名な話ですと、熊本地震の発生直後、動物園のライオンが脱走したというウソ情報が別の画像と共に拡散し、大騒ぎになりましたが、後にその情報を流した男性が、偽計業務妨害容疑で逮捕されたなんていうニュースがありましたね。
2017年3月6日付けの THE HUFFINGTON POSTの記事「フェイクニュース、ネット民はどのくらい騙されやすいか?:5つのグラフで検証」によると、
【ここから引用】------------------
英国の調査では、半数(49%)の人が偽の記事と本物の記事の違いを見分けられると回答したが、見出しだけで正しく区別できた人の割合はわずか4%だった。
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おもにFacebookからニュースを得ている人が、偽のニュースを本当と信じてしまう確率は83%に上っている
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若い人ほど真偽を見分ける力が弱いことが、各種調査で明らかになっている。また、若い世代は、複数の放送局やメディアを利用するよりも、FacebookやRedditからニュースを得る傾向が強い。
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米国人の4人に1人(23%)が、偽の政治ニュースをシェアしたことがあると回答。
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http://www.huffingtonpost.jp/digidayjapan/fake-news-graph_b_14946696.html
【ここまで引用】------------------
とのこと。
電車の移動中にパッとみてパッとシェアしたりすることで、ウソが拡散されるという現実もある様です。
では、なぜこんなふうに騙されてしまうのでしょうか?
よく、
「いろいろな情報があって、何が正しくて何が間違っているのかわからない…」
という方がいらっしゃいます。
しかし、例えば私に
●獣医師の側面
●ペットアカデミー専属講師の側面
●ペット食育協会会長の側面
●本を書く人としての側面
●シルバメソッド講師としての側面
●集中力強化法のトレーナーとしての側面
●大学の客員教授の側面
●大学入試問題になった獣医師という側面
●獣医学博士としての側面
●独りでカラオケボックスに行って6時間唄ってくる側面
●八王子のさいぼーぐというオカマ・ニューハーフの店で楽しむ側面
●家庭での夫としての側面
●家庭での父親としての側面
●しっかりしている側面
だらしない側面
など、いろいろな側面がある様に、全ての出来事に、様々な解釈が成立します。
ですから、私を
「しっかりしている人」
と思い込んでいる方がいる一方で、
「どうしようもない人」
と思い込んでいる方もいらっしゃるのです。
この場合、どちらが正しい、間違っているではなく、どちらも正しいのです。
冒頭にもありましたが、「何が正しくて、何が間違っているのかわからない…」という二元論で考えている方には、私達が生きている世界はおそらく生きにくい場合があります。
昔の僕たちが子供の頃のウルトラマンや仮面ライダーの世界のように正義と悪のわかりやすい対立構造の世界観がありましたが、今は「多様性」の世界で生きています。
例えば、淡水魚と海水魚は生活している水の質が異なりますが、淡水魚が海水魚に「やーいっ!しょっぱい水でしか生きられないんでヤンの!」とか、海水魚が淡水魚に「やーいっ!浸透圧調節ができないんでヤンの!」などと、お互いにケンカをしたりしません。
それぞれがそれぞれの所で生活しています。
そして、鮭の様に双方を行き来できる例外もありますが、基本的には生涯同じ環境で、お互い干渉することなく、どちらが正しい、間違っているとのの知り合うこともなく生活しています。
これと同じで、「何が正しくて、何が間違っているのかわからない…」と考える事自体がたぶん適切ではなく、「私の場合、何が納得がいくのか?」と質問することが適切なのだと思います。
ですから、間違いなのではなく、世界観が違うだけなのです。
では、なぜ、世界観が違うのでしょうか?
世界観の違いは、視点の違いでもあります。
視点が違えば、見える世界も変わってきます。
栄養バランスが大事という視点から入ればフードでなければ恐ろしいという解釈になるでしょうが、身体の調整機能の素晴らしさの視点から入れば、フードである必要はないと確信が持てるでしょう。
それと同じです。
ですから、視点を多く持てて、視野を広くできれば、変なこだわりもなく、悩みも少なくなるでしょう。
しかし、視点や立場を固定したら、解決出来る問題は少なくなるかもしれません。
昔はそれを説得していた頃がありましたが、今は「それはそれでいいのでは?」とほとんど干渉することがなくなりました。
では、これらを踏まえて「騙されない秘訣」はなんでしょうか?
小学生のように1対1の対応で物事を覚えるのではなく、一つの出来事にはいろいろな視点があると心の底から理解し、新しい視点に触れたら、
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なるほど、そんな視点もあるんですねっ♪
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と、距離を隔てて冷静に対応することだと思います。
言うはやすしで、実際には慣れるまで時間がかかるかもしれませんが、情報に入り込み過ぎないことが重要です。
また、どこから情報を取ってくるかも重要です。
世の中には、注目されたい輩が少なからずいて、いろいろな情報を配信していると心掛けましょう。
そこで重要なのが、一次情報を引っ張ってくることです。
先程のハフィン・ポストの記事で、若い世代はSNSを情報源にしているためによく騙されるという話がありました。
あなたもご存じの通り、SNS情報には犬猫に関する一次情報はゼロではありませんが、ほとんどありません。
多くの方が行っている孫引きのシェア情報を判断基準の中心に置いたら、大変なことになります。
では、質の良い情報を見極めるにはどうしたらいいのでしょうか?
ペットの食事や栄養、病気に関する話は、学術論文が一次情報で、獣医師や飼い主さんの意見は参考にする程度です。
ですから、誰かのブログ記事に大きく影響を受けるなら、それはフェイク・ニュース対策として今後は気をつけた方がいいのかもしれません。
一次情報を提示して、人を不安にさせる情報提供をしている方もいます。
たぶん、注目を浴びたいからだと思うのですが、プロは「読者を不安にさせて終わり」という締め方はしません。
ですから、読んだ後に不安にかられる文章は、「ホントか?」と考えても良いのかもしれません。
特に、今まで十数年やってきて特に問題の無かったことを「それはおかしい!虐待だ!」などという意見は、やはり適切では無いと考えます。
もし、その判断が付かなかったら…。
信頼できるプロに相談してください。
きっと、あなたを適切に導いてくださると思います。
追伸:
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